130円を超えていたドル円ですが、5月に入って、下がり始めてきましたね。
これからも円安は続くのか、円高にシフトしていくのか、今後の流れについて考察していきます。
また、資産運用の基礎「インカムゲインとキャピタルゲイン」についてもお伝えしていきます。
目次
今後の円安・円高について
日本がゴールデンウィーク中に、今後の円安・円高についての注目材料である、FOMCが開催されました。
5/25に5/3〜4の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されましたが、議事要旨には、
「大半の参加者」が「0.5%の利上げが適切になる」とみていることが明らかになりました。
5月には0.5%もの利上げを実施、6月と7月にも0.5%の利上げが見込まれています。
なので市場は、6月の大幅利上げを盛り込もうとしているため、
リセション(景気後退)懸念のピークアウトは、来月早々に訪れる可能性があると言えます。
ドル円は、5/23時点で127円台で、5月は緩やかな円高傾向になっていますね。
ですが、安心はできず、株価が堅調であれば、再び円安の流れになる可能性があるので、注意が必要です。
政策金利の引き上げを織り込む形で米国債権市場においても利回りが上昇してきましたが、
金利上昇スピードに耐えかねて、米国株が下落基調を強めると、米国株から再建市場へ資金が移動し、
結果、金利が押し下げられるケースへとつながります。
先ほどのリセションについて詳しく解説しますと
経済が安定し、市場がリスクを取れる環境で債券から株へと資金がシフトすることで安定的な金利上昇サイクルが構築されますが、足下では小売業決算悪化などから景気の先行きへの不安=リセッション警戒が高まりつつあります。
注目されている暗号資産市場の急落などリスク資産の下落も相まって米国株市場の下落傾向が強まり、
金利が上がりにくくなりました。
これが、ここからの米ドル/円上昇の上値を抑えてしまう可能性があると言えます。
そして、「行き過ぎた円安」は続くのでしょうか。
今月は、米ドル安・円高リスクを試すような展開が目立ってきた。5月にかけて一気呵成に広がった米ドル高・円安、「怒涛の円安」は、131円台で終わってしまったのか、それともこれは単に一気に進んだ米ドル高の調整局面なのか。今後も注目が必要ですね。
日本の金融政策と円安について
一方、日本の金融政策については、5/20に発表された消費者物価指数(CPI)では、
日銀の黒田総裁から「コアコアCPIは着実に上昇するが、2024年度も2%に達成しないだろう」と発言がありました。コアコアCPIとは、変動の激しいエネルギーや生鮮食品を除いた消費者物価指数を指します。
また「足元は輸入物価が上昇。安定的な2%達成にはならない」と発言するなど
現状の金融緩和を終わらせる姿勢は見られませんでした。
今後もアメリカとの金利差は拡大する傾向にあり、通貨供給量の差も拡大しそうな流れです。
日本国内の金融政策に変換がなければ、
やはりアメリカ経済の動向がドル円の変動要因として最も注目されそうです。
なお FRB要人の発言として、5/18、米セントルイス連銀のブラード総裁から発言があり
「スタグフレーションはシナリオとしてありえない」という強気なコメントが出ており
今のアメリカに置いて景気後退と物価高は同期しないとの自信をのぞかせています。
スタグフレーションとは、景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)
が同時進行する現象のこと。この名称は、景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」
と「インフレーション(Iinflation)」を組み合わせた合成語です。
直近ではアメリカの株安がドル安の要因と見えることから
今後の景況感調査とアメリカ株価の反応に注意しながらトレードの方向性を探っていきましょう。
ユーロ圏の利上げについて
アメリカとユーロ圏の利上げが期待される中で、相対的に日本円が売られる構図となってきます
円は、対ドル、対ユーロ、対ポンドにおいて4月末から変われ始めていますが、この直近1ヶ月の動きは、単なる調整の可能性もありそうです。そのようなタイミングで、どう反転するかが、ポイントになってきますが
米国、ヨーロッパ、イギリスともに政策金利の決定会合が6月中旬の予定なので、
その前後のおける相場の変動には特に注目が集まりそうですね。
日本では、FOMC同日に行われたFRB副議長 ブレイナード氏の講演では
「FRBは、インフレを押し下げるための強力な行動について議論している」など発言があり
予定されている金融引き締め策に変更がないことが強調されました。
金融引締めとは、中央銀行が景気の過熱やインフレを抑制するために実施する金融政策を指します。
これに対して5/25のニューヨーク株式市場が堅調に推移したところを見ると
市場の織り込み具合はそれなりに進んでいると判断できそうです。
アメリカでは5/27公表される個人消費支出や景況感調査が予想しから
極端に下振れしなければ懐疑的ではありながらも株価が下値を切り上げそうです。
アメリカの労働市場や企業成長が堅調であるほど、FRBとしては積極的な金融引き締めを行いやすくなります。その結果、他国との通貨価値の違いを鮮明にすることからドル円としても円安方向へ動きやすい展開が予想されます。5/26時点で1ドル127円台となっており、4月末からの円高トレンドが収束となるのか注目して行きたいですよね。
そして、慎重な姿勢を維持してきたユーロ圏も、いよいよ7月から利上げ期待が高まってきました。
独5月消費者物価指数(CPI)は前年比+7.9%と市場予想(+7.6%)を上回る伸びとなり前月の+7.4%から加速。欧州連合(EU)基準のCPIも前年比+8.7%に加速して過去最高の伸びを記録した。
5/25の欧州中央銀行(ECB)レーン専務理事から金融政策正常化を開始するのは適切との発言も出ています。
オーストラリア総選挙の市場影響はあるのか?
5月21日にオーストラリア総選挙が行われました。3年に1度の総選挙では151の下院議席の過半数を獲得した勢力が、首相を立て政権を担うことになっており、選挙の結果、労働党の現党首を務めるアンソニー・アルバニーズ氏(以下、アンソニー氏)が5月23日からオーストラリア首相を務めます。
選挙公約をみていくと、メディカルケアの強化、地域雇用の創出、安価なチャイルドケアの導入、製造業の国内回帰など、オーストラリア庶民層に軸足を置いた政策が目立つため、こういった点からも、アンソニー氏の一貫した政治信念が見てとれます。
※ 5/31 11:14時点でのオーストラリア/円の日足画像(gmoクリック証券)
オーストラリア経済への影響でいくと、現時点において、特に変化はないと思われます。
現在、オーストラリア経済は安定しているため、
豪ドルへの影響と言うところでいくと現段階では、そこまで意識しなくて良いと考えられます。
インカムゲインとキャピタルゲインとは?
資産運用の利益を上げる方法は、2種類あるます。
どのような資産運用でも、利益の上げ方は、この2つのどちらかに当てはまると言われています。
・インカムゲイン
インカムゲイン(Income Gain)とは、資産を保有することで継続的に得られる利益のことをいいます。
代表的なものは、銀行預金の利息、債権の利子、株式の配当金、家賃収入です。
・キャピタルゲイン
キャピタルゲイン(Capital Gain)とは、
キャピタル・ゲインとは資産を売買することで得られる利益のことです。
実際のFX取引の例で考えると、1ドル=100円のときに10,000ドル買い、
1ドル=110円になったときに決済をした場合、10万円の利益が出ます。
この10万円の利益がキャピタル・ゲインです。
また、
10万円で買った株式を13万円で売却した場合のキャピタルゲインは、
13万円ー10万円=3万円
となります。
FX取引は、為替の変動によって利益を得るキャピタルゲイン型投資です。
元金(証拠金)の何倍ものレバレッジを掛けられるため、
変動幅が大きければハイリターンを得られますが、その分リスクも高くなります。
また、FX取引の基本的な性格は外貨建てによる預金と同じで、
通貨を保有しているだけで、預金利息に相当するスワップポイントが得られます。
これが、FX取引のインカムゲインです。
インカムゲインとキャピタルゲインの違い
インカムゲインとキャピタルゲインには、
・資産の保有期間
・リスク許容範囲
・損失について
という主に3つの違いがあります。
まず、 資産の保有期間 です。
インカムゲインは、資産保有によって利益を得るため、基本的に売買を考慮していない、長期保有型です。
キャピタルゲインは資産売却による利益獲得を目的としているため、保有期間は一般的に短いと言われています。
次に、 リスクの許容範囲 です。
インカムゲインは、ローリスク・ローリターン型の投資スタイルで、
ハイリスク・ハイリターン型のポジションと言われています。
最後に、 損失についてです。キャピタルゲインは、資産の目減りや株式投資における損切りなどの結果損失が生じることがあり、これをキャピタルロスといいます。これに対し、インカムゲインは、基本的にキャピタルロスが生じることはありません。
これらの点において、キャピタルゲインとインカムゲインは異なり、
以下の表のように、利益の大きさ、利益発生、発生時期によっても違います。
|
キャピタルゲイン |
インカムゲイン |
利益の大きさ |
大 |
少 |
利益の発生 |
不確定 |
確定 |
利益の発生時期 |
売買時 |
所有中 |
インカムゲインのメリット・デメリット
インカムゲインのメリットは、 ローリスクで確実に安定した利益が得られる ことです。
キャピタルゲインと比嘉うし、平均的利回りは低いものの、
定期預金などであればリスクフリーでインカムゲインを得られたり、
安心して資産運用を続けることも可能で、リスクを確実に抑えたい方におすすめです。
ですが、インカムゲインのデメリットは、利回りの低さ です。
インカムゲインのデメリットは、配当の年間利回りは数%程度のため、ハイリターンにはならない点です。例えば、東証一部上場企業の平均利回りは、1.92%なのです(2021年1月時点の有配会社平均利回り、日本取引所グループHPより)。
また、インカムゲインは長期保有が基本なので、 資産の長期保有は流動性を大幅に低下させるため、市場や環境の変化に対して俊敏に対応できなくなる可能性もあるのです。
キャピタルゲインのメリット・デメリット
キャピタルゲインは、インカムゲインと比べるとハイリスク型投資スタイルと言われていて、
短期間で高いリターンが得られる可能性 があります。
キャピタルゲインの注意点は、 巨額のキャピタルロスが起こり得る 点です。ハイリターン型投資の代償として、ハイリスクを考える必要があり、巨額のキャピタルロスが生じてしまうリスクも含んでいます。
キャピタルゲインのデメリットは、リーマンショックなどの経済危機のあとは株価が一気に下がり、資産価値が大きく目減りすることになります。
また、投資した資産が含み損を抱えてしまうと、投資の回転率が低下する恐れもあり、ハイリターンには、リスクが付き物ではある事を意識することが大切です。
暗号資産について
ビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)は、ほかの投資と比べて値動きが激しく非常に不安定であるため、短期的な値上がりによって売却益を狙う典型的なキャピタルゲイン型の投資と言われています。
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youtubeでは、暗号資産とは、暗号資産で資産形成するには?暗号資産のデメリットなどについて紹介していますので、よかったらご参考にしてくださいね。
暗号資産初めての方が、どのように不安をなくし利益を出していくかについて、まとめてあります↓
https://youtu.be/39EeMjYOlcQ
まとめ
今回は、4月から注目されている円安について、その現状などについて考えながら、
資産運用の基本「インカムゲインとキャピタルゲイン」について振り返ってきました。
円安や欧州の利上げなどについて今後も注目していきましょう。
また、5/29日に中国・上海当局が、約2カ月続いたロックダウン(都市封鎖)を
6月1日から緩和すると発表したことを好感してアジア株が軒並み上昇しました。
今後の中国の動向も気をつけていきたいですよね。
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