昔はいろんな通貨がありました。マルク、フラン、リラ…懐かしい。ヨーロッパ各国が統合してEUになろうとしていた前後のことはすっかり忘れてしまった人もいるかもしれませんね。
今回は連日報道されているブレグジットについて、FXの観点から書いています。すでにFXを始めている人も、これからやってみようと思っている人も、国際政治のことは苦手という人もぜひ読んでみてください。
EU離脱の日がやってくる!
英国がEU(欧州連合)を離脱(ブレグジット)するとされている10月31日が近づいてくるにつれ、様々な動きが出てきています。
この時のFX相場を逃がすのは本当に惜しいので、しっかりとFX相場に取り組んで欲しいです。何故か英国がEUを離脱するうことは、本当に転換期に該当するのです。
歴史を紐解きましょう。
どうしてEUが成立したのか、それはフランスとドイツが手を組んだ事が大きな事なのですが、EUはイギリスも入っています。イギリス以外の国はユーロで通貨統合がされています。EUの前進はEECというヨーロッパ共同体で、その後ECと言う名称に変わりました。覚えている人はいますか?このようにヨーロッパは一つの国になろうとして、統合に向かっていったのです。
それが、英国がEUを本当に離脱してしまうのです。今までの方針と大転換です。今まで英国の政治は何をやっていたんでしょうね。よく英国がEU離脱を決めたと正直、不思議に思います。EUの離脱を決めたのは国民投票による結果を英国の保守党が尊重したからになります。民主主義と言えばそれは正しいのでしょうが、国の方向が安易に変わることに、危機感を覚えます。
FXで言うと、このような政治の転換時期がとても面白いのです。何故なら激しく動くからです。英国の事例もそうですが、これからFXが大きく動く前触れのような感じがしています。政治が大きく動くとき、それは自然災害もおこる確率が高くなる時期です。思いもよらない出来事があるかもしれません。例えば、富士山が噴火したりとか。あまりそんな事を考えるのはよして、本題に戻りましょう。
今年7月に退任したテリーザ・メイ前首相の後任となったボリス・ジョンソン現首相…
この人はバリバリのブレグジット推進派です。
首相になってから現在まで、多くの議会が懸念していた「合意なき離脱」を強行すると述べています。
ここでジョンソン首相を見てみましょう。はっきり言ってものをズケズケという嫌われ者タイプです。アメリカのトランプ大統領に似ているタイプです。個人的には前のメイ首相の方が親近感を沸かせます。政治家としてきちんと振る舞っています。
でも、近年の政治家のイメージを壊したトランプ大統領や、ジョンソン首相もそうですが、本当に政治家のイメージが悪くなりました。これらを権力の乱用といいます。こんな方法が正当化されるのは、危険な感じです。
ところで、合意なき離脱、を強行すると言っていますが、これがどういう意味だかわかりますか?通常は全くあり得ない選択なのです。
企業と企業が取引をする際には、契約書を締結しますが、やめる時も契約書を締結します。それが取引があるのに片一方が一方的にやめたと言っているのです。両者の間に何も無ければそれは問題ないでしょう。ところが英国とEUには様々な繋がりがあります。その繋がりがあるのに、「知らない」と言っているのです。そんな事があるかというものです。
合意なき離脱とは
あまり感情的にならずに、このワードの意味が解らない人のために説明すると合意の当事者は英国とEUです。
現在、協議されているのは「英国がEUから離脱をするか否か」という内容です。
離脱したがっているのは英国側です。
つまり「合意なき離脱」とは英国がEUと合意出来なくても離脱を強行するという事です。
もしそんな事をすると、例えば、英国で車を作ったとします。それをフランスで販売しようとすると、何も取り決めがないのです。フランスが輸入しないという選択もあるし、高い輸入税をかけるという選択もあるのです。それなのに、英国が協議しない、と言っているのです。普通はフランスが協議しない、というのが問題なのに。
まるでイギリスの態度は通常とは全く逆なので、幼稚と言えば幼稚ですし、全く常識外れのおかしな話でもあります。
自国で決めたいことが決められない
そもそもジョンソン首相をはじめとした離脱賛成派は、何故それほどまでにEUから離脱したいのでしょうか…
それはEUに加盟している事により、自国に関する様々な政策もEU主導で決められてしまうからです。
近年よく取り沙汰されるのが難民の受け入れに関してですね。日本も難民受け入れに取り組み出し始めました。でも、難民受け入れは本当に大問題です。
数年前にイギリスに行ってきました。驚いた事に田舎のタクシーの運転手がほぼ全員外国人でした。イギリス人はどこに行ったのかと思うほど、イギリス人にはなかなか出会えませんでした。トランプ大統領もメキシコとアメリカの間に、コンクリートの壁を作る、と言っています。これも難民政策です。
日本では最近、コンビニで働く若い人が出てきましたが、外国では家族で移民となって暮らしているケースなどあります。彼らは国を越えてやってきたので、かわいそうだというのが最初に思いますが、ところが、彼らを就職させる代わりに、地元のイギリス人やアメリカ人が首になってしまうケースとなります。そうなると働き口が無くなって恨むでしょう。逆恨みとか見られると恥ずかしくなるでしょうが、残念ながら、そんな事も言ってられなくなると、排斥運動が起きてしまいます。
ところで、知らない人は多いですが、ビザを取るのは難しいケースが多々あります。ビザとは他国に行くことですが、我々の多くは観光ビザが免除になっているので、短期間、例えば1か月間とかはその国に入国できますが、長く入国するにはビザがいります。
中には市民権を獲得したり永住権を獲得したりしますが、それは先の事です。出稼ぎに行くにもビザがいります。そしてビザが切れたら自国に戻らないと行けません。本来、国の移動は厳しいものなのです。
自国が裕福なのは良いことだとして、外国の方は裕福な国に行きたいしそこに住みたいのです。でも、入国を制限している、悲しい現実があります。キレイごとだけではなかなか生きていけない現実があります。我々の学びですね。
これら難民について、各国の受け入れ割合も加盟国である限り、EUに決められてしまいます。EUに加盟している事で、財政面が脆弱さから恩恵の割合が高く、依存している国もたしかに存在しています。
しかし、英国のように自国の独立性が高い国からしてみれば、これは疎ましい仕組みと言えるでしょう。
ブレグジットとFXトレード
こんな背景があるため、英国内ではジョンソン首相に賛同する勢力も存在しています。
個人的な感想ですが、メイ首相がEU離脱について、英国内をまとめられないとは全く思っていませんでした。最初の案はそんなにおかしくない案に見えます。それ位、ショッキングな事です。
何度も言いますが、そんな時こそFXの狙い目です。別にFXで狙うのはその時だけではありませんが、FXは大きな変動で利益が出てしまうのです。注目しないわけにはいきません。
ただ、どっちにつくとかそういう気持ちでFXトレードしてはいけません。英国がEUを離脱しようが、EUと合意なき離脱をしようが、合意して離脱しようが、そんな事に一喜一憂してはならないのです。イギリスの事なので、イギリス人の方々で決めて頂ければよいのです。FXトレーダーは黙ってそれをみていればよいのです。そして、利益を出すチャンスを狙って実際に利益を出していきましょう。
しかし、英国の上院は9月4日に「首相にEU離脱を延期させる法案」を可決させました。
これにより、ジョンソン首相が目指していた「10月末日でのEU離脱」が遠ざかる事になります。
一概には言えませんが「合意なき離脱」はEUとの調整を完了しないまま実行される事になるので、「英国にとっても不利になる」可能性が高いです。したがって、それを阻止したい勢力は何が何でもジョンソン首相を封じ込める必要があったという事ですね。
また、「英国が不利になる」という事は、英国の株価や通貨であるポンドの評価にも影響が出てきます。現に、合意なき離脱が現実味を帯びてくるとポンドが下がりやすい傾向にありました。
それが、今回の法案可決により、ポンドは下降から上昇にトレンド転換しています。
この時の急上昇で、ポンド以外の他の通貨も連られて上昇しました。
一つの国の材料で、他の国の通貨も「連られて同じ方向に向かう」という事は、実は頻繁にあります。
特に、避難通貨となりやすい円絡み(ドル円やクロス円)は、その傾向が現れやすいと言えます。
このような流れから形成される、全体的に買われやすい相場は「リスクオン相場」。
逆に、全体的に売られやすい相場は「リスクオフ相場」などと呼ばれています。
主導となり易い通貨を挙げると、まずはドルですね。
ただ、ドルは世界の基軸通貨なので、他の通貨の動向に影響しやすいのは当然と言えるでしょう。
ドル以外で相場全体を引っ張る事が多い通貨と言えば、まさに英国のポンドではないかと思われます。
ポンドは主要通貨の中で最も値動き(ボラティリティ)が大きいです。加えて、値動きが軽い事もあり、相場の転換時などにいち早く反応しやすい特性があります。
したがって、ポンドの動きを目安に他の通貨が追随してくる事も少なくなく、為替市場全体の方向性を示す指針として見られる傾向があります。
今回のEU離脱に関するポンドと他通貨の動きは、まさにそれに当てはまっていました。
ポンド円の今後
値動きが大きい事からポンド自体が多くのトレーダーに人気がありますが、その一方で、「ポンドの動きを見て他の通貨を取引する」トレーダーもいます。
ポンドはFXトレーダーにとっては、一部の人たちで人気がある通貨です。今回のように大きく動きやすいからです。
リーマンショックの時はなんと90円も動きました。これはポンド円です。このポンド円の動きはドル円の動きよりも大きかったです。
皆さんリーマンショックはアメリカが大変だったと思うかもしれませんが、実はアメリカよりも大きく変動した国があります。そのうちの一つがポンドに関する通貨です。ポンド円やポンドドルが代表的です。少しマイナーですが、ユーロポンドやポンド豪ドルなんかもあります。特に、今回はユーロポンドが狙い目だと思います。狙い目の事を美味しいとか言ったりするFXトレーダーもいます。何故かと言えば、激しく動くからです。そして特にポンドは上がったと思ったら今度は下がることもあるのです。なので上下に2度の利益が得られやすいという特徴を持っています。この特徴を知っていたら、今以上にポンドが好きになれるかもしれません。
でも、このポンド円の動きはまだ始まったばかりです。今回、激しく動きましたが、また概ね半年以内に大きく動くかもしれません。それくらい、ポンドは色々とある通貨です。イギリスの強さの落ち込みも激しいのか、それともイギリスがさらに強くなっているのかは、あなたの考え方次第です。
私も本当のところは全くわかりません。ただ、私の嗅覚は面白そう、即ち大きな変動が起きそうという予測があたりやすい特徴があります。そんな中で方向性を示してくれることを発見しています。今回も長期的な方向を示すサインが表れました。今回だけに限りません。
最後に
以前はドル円でも出ました。ただ、それはFXをやっていないと見受けられないです。私はいつも言います。FXで1年で稼げてもFXを甘く見るなよ。少なくとも2,3年には必ず勉強するように言っています。FXは本当は奥が深いです。でも、最初に勝たないと皆さん面白くないと思うので、最初は利益を出すように指導していきます。
ホームページをよくみると、なんだという隠し技があったりしています。本当は皆さんに考えることなしに分かるようにホームページを作らないといけないのですが、難しいです。本業がFXトレーダーなので、見せるとか、印象をよくする、と言う事にとかく無頓着になりがちです。この点を改善していくと、弊社もよくなると思います。私を心から手伝ってくれるスタッフが表れないかな。この記事もそのうち、弟子に任せたいです。
FXスクールでは、大きく狙えそうな局面でしっかりと狙える通貨ペアも、リアルタイムで教えています。
そこはプロですから狙い目の見分け方も熟知しているでしょう。
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