2σ(2シグマ)とは
ボリンジャーバンドのバンド線に持ちいられている言葉です。ボリンジャーバンドにはミドルライン、1σ、2σ、3σの線があります。1σ~3σにはそれぞれ、プラスとマイナスの線があるので、ミドルラインと合わせると合計7本の線があります。
ところで、これらの1σ、2σ、3σの意味ですが、これは確率統計からきています。ここの分野になると、かなり専門的な内容となります。数学の知識が必要になってきます。順に説明していきます。
1.標準偏差
まず、皆さん、標準偏差という言葉を知っていますか。ボリンジャーバンドの2σを語る上で、まず知っておかなければいけない言葉が標準偏差です。ちょっと聞いたことがあるけど、なんだかわからないという方が多いのではないでしょうか。大学受験の際に偏差値という用語が出てきて、なんか聞いたな~です。投資は難しい、と思ってしまいがちです。
実際、FXをやるトレーダーはあまり難しいことを考えてトレードをしているわけではないです。株のように企業の株取引では、必ず見るPERやPBRという指標は全く使いません。
では、この標準偏差とは何かと言うと、分散の生の平方根というのが回答なのですが、もう嫌になっているはずです。どのような場合に使うかと言うと、データや確率変数のばらつきを表す指標の一つです。
よく例えられるケースはテストの試験です。例えば、Aという試験でクラス全員が同じ点数、すわなち全員が平均値の場合、データが同じなので、標準偏差は0になります。実際には全員が同じ点の場合はあり得なく、テストの点数はバラバラのはずです。このバラバラの値になるので、確率変数の標準偏差をσとして表すと、平均0で標準偏差σの正規分布の確率密度関数が作成できます。
ではσはどのような計算式になるかと言うと、これが非常に複雑で、ルートが出てきて、Σが出てきたりします。ちなみに、Σもσも両方ともシグマって読みます。わかりにくいですね。そのような世界です。まだまだ表現が足りてない部分が多いですが、FXトレードをする上では十分ですよね。
2.2σの意味
この数値は、これから始まるボリンジャーバンドに使う2σの数値の解釈をするために行います。ボリンジャーバンドの線には、真ん中にあるミドルラインと、上下に1σ、2σ、3σの線が3本あり、マイナス1σ、マイナス2σ、マイナス3σと合わせると、全部で7本の線を表示させることができます。
これらのボリンジャーバンドを使うに際し、いろいろと解説していきます。
1.一般に使うボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドを使う場合、バンド線を一体何本使うか人によって分かれるものです。テクニカル指標でボリンジャーバンドをクリックすると、1σ、2σ、3σがたいてい表示されるので、ミドルラインを含めて合計7本の線が表示されます。
ただ、実際にボリンジャーバンドを使う場合、7本の線全部を使う人もいれば、5本にする人もいて、また3本の方もいます。3本というと少ないかもしれませんが、タケル先生は3本線を使っています。
ボリンジャーバンドの線は、人によってトレード手法があって、それを基に使うので、何本が良いというのは決まりがありません。ただ、7本全部使うと疲れるな~という印象はあります。
そこで、ボリンジャーバンドの線の意味を考えて、独自のルールを作っていってほしいと思っています。
2.ボリンジャーバンドの意味
ボリンジャーバンドはミドルラインとバンド線からなります。ミドルラインは移動平均線なので、ここで詳しく書く必要はないかもしれません。問題なのは、バンド線です。そしてこのバンド線を正確に言うには、すごく説明が困難なので、順番に難しいことを解説していきます。
(1)バンド線の意味
まず、簡単にこの議論を定義するには、バンド線とは何かということです。このバンド線とは、平均0、標準偏差σの正規分布の確率密度関数を定義したものと言えますが、これでは数学っぽくなってなんだかわかりません。なので、数学の用語から定義していくことになります。
最初の疑問になる、そもそも確率密度関数とは何ということですが、これは確率統計の授業に出てきます。今は高校では習っていないカリキュラムなので、理系の大学に行かないとちょっとわからない分野です。
確率密度関数とは、確率論において、連続型確率変数がある値をとるという確率密度を記述する関数です。確率変数がある範囲の値をとる確率を、その範囲にわたって確率密度関数を積分することにより得ることができるように定義されています。確率密度関数の値域は非負の実数で、定義域全体を積分すると1になります。
が正式な回答です。ここで積分が出てきます。積分と確率は理系の高校3年の数学で出てきます。確率密度関数も出てきます。ただ、この方程式を解くには、やっぱり大学レベルです。標準偏差の公式がすごく難しいです。
(2)確率の話
ここで、ダイレクトにバンド線の議論に着目していきます。
例えば、単変数の確率密度関数を平面上のグラフに表現して、x軸に確率変数の値を、y軸に確率密度を採った場合、求めたい範囲のx値の下限値と上限値での垂直線と変数グラフ曲線とy=0の直線とで囲まる範囲の面積が確率になります。
これは文章で書くと難しいですが、確率分布の一般的な表です。勉強した人なら、あの図だとピーンとくる図です。
この確率で、1σ(プラス1σとマイナス1σ)の範囲内に入る確率が67.3%と計算で求まります。そして2σ(マイナス2σ~0を通ってプラス2σ)の範囲内に入る確率が約94.5%になります。最後に3σ(マイナス3σ~0を通ってプラス3σ)の範囲内に入る確率が99%となります。
ということはバンド線の意味は1σとは67%の確率でおさまる線、2σとは95%の確率でおさまる線、3σとは99%の確率でおさまる線の事です。統計的によく使われるのは2σです。2σに収まるのは95%となりますから、この数値がある意味、統計的に優位を持っている証明になります。
(3)実際と違うFXトレード
今までの説明は、数学的な説明です。数学的に正規分布に仮定していることを言っておりますが、実際にFX相場が正規分布が成立しているかと言えば、そんなことは無いと言えるケースが多いです。トレーダーによってはべき乗になっている、と言う人もいるでしょう。それらはまだ証明がされていない分野でもあります。FXチャートがどのような関数系になっているか定義され、それらが発表されたら、大きな転換になるのでしょう。それこそ、ノーベル経済学賞の候補になる可能性があります。まだ、まだ知られていない世界です。
また、個々のトレードは一般化しない、例外も多いと言われることも多くあり、当てはまらないケースも多々あるでしょう。
それゆえ、ボリンジャーバンドの使い手はより洗練された見方を各々持っています。それはなかなか公開されないでしょう。
3.FXトレードに応用する場合
(1)2σ派
あくまで私見ですが、ボリンジャーバンドを使うトレーダーの中で、一番多いのがミドルラインと2σだけ表示させている方です。トレードを全体的に見て、相場がどのような形になっているかを見ています。
また2σを決済ポイントに使う人もいれば、あえて2σをエントリーポイントに使う人もいます。そもそも2σタッチという単純な見方ではなく、何本かのローソク足を複数見て判断するという形のトレードもあります。
FXトレードの奥深さを感じるところでしょう。2σが95%の確率と言っても、それぞれの状況は違うのですから、このルールが成立しない時が多々あることに気づきます。その一方で2σが成立する状況を、このバンド線を使うトレーダーは知っています。理屈で表せない部分もあったり、例外条項もあったり、それぞれのテクニカル的に熱く語っているところでもあります。
(3)3σ派
この3σを使う方も多いです。どのようなパターンかと言うと、例えば、3σまでタッチしたケースは一旦反発してミドルラインに向かうという特徴があります。このケースを狙ってトレードをする方などあります。
あるいは、ボリンジャーバンドの1σを使って3σで決済することを狙ってトレードをする方です。3σというのは99%の確率なので、ある程度きれいなバンド線であるともいえます。3σの愛好者も意外と多いです。利益を取るというよりは、論理的な説明がしやすい点に特徴があるのではないかと思っています。それぞれのローソク足チャートの特徴の説明には適しています。
(3)2σ派と3σ派の違い
これらのトレードは、基本が同じであっても、2σ派と3σ派は全くトレードの理論的根拠が違います。この理論的根拠の基本的な枠組みが違うのですから、徐々に違和感が発生してくるでしょう。それでも7本全ての線を使ってトレードをされる方もいます。それも2σ派と3σ派の両方の特徴を使ってやっている方もいます。
このように、ボリンジャーバンドを使ったトレードはたくさんの派生形があり、どれがいい悪いと言えるものではありません。要は自分にあった形をつかめばよいのです。その意味で本当に面白いテクニカル指標だなと思っています。
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